うたかた

オタクの観劇メモです。

ミュージカル「ゴースト」

ミュージカル「ゴースト」


(東京)シアタークリエ 2018年8月5日(日)~31日(金)
(大阪)サンケイホールブリーゼ 2018年9月8日(土)~10日(月)
(福岡)久留米シティプラザ ザ・グランドホール 2018年9月15日(土)~16日(日)
(愛知)刈谷市総合文化センター アイリス 2018年9月22日(土)~23日(日)


脚本・歌詞:Bruce Joel Rubin
音楽・歌詞:Dave Stewart&Glen Ballard
演出:Darren Yap

キャスト
サム:浦井健治
モリー:咲妃みゆ、秋元才加
カール:平間壮一
オダ・メイ:森公美子

松原凜子、松田岳 /
栗山絵美、ひのあらた /
大津裕哉、岡本悠紀、小川善太郎、木南清香、コリ伽路、島田彩、丹宗立峰、千葉直生、土倉有貴、西川大貴、湊陽奈

 

有名な映画が原作のミュージカル
映画はタイトルしか知らない程度の知識だったので今回、観劇決定してから映画鑑賞しました。
(通り抜けとか、黒いゴーストとか、オダ・メイに憑依したサムとか、どうやって表現するのかな?と思っていました)

 

Wキャスト 秋元さん、咲妃さんとも観劇。
映画モリーは可愛らしさと凛とした美しさの共存しているビジュアルが印象的だったのですが、咲妃さんは可愛らしさ、秋元さんは凛とした美しさがそれぞれ映画モリーと近い点かなと思いました。
『Here Right Now (今ここで)』のこれから始まる!というワクワク感のある歌声があって、お二方とも好きです。

 

浦井さん
初めて拝見しました。
華やかな歌声と、舞台映えする背丈、アクションもされていて、なんでも出来る素敵な方なのだなと思いました!
モリクミさんとのアドリブ対決であったり、ふと零す言葉が面白くて、自然体で舞台に立たれている方なのだなと観ていて興味深かったです。

 

○演出について
ネットで配信されているのはWE版ですかね?
WE版は全編でプロジェクションマッピングの効果を全面に押し出した演出。
舞台もセットがあまりなくてすっきり。スタイリッシュな作品だなあという印象。

日本版は演出が一新されていて、セットはシルバーで統一された骨組み。大きめながら人力で動かせる大きさになっていて場面転換も小回りが利いた感じで面白いなと思いながら観ていました。
映像効果も全面に押し出した感じではなく、エレベーターが動いている時のライトの動きや、サムがゴーストの世界にいってしまった時の空気感、ゴーストにならず成仏した魂、ゴースト(サム)ドアを通り抜けする時の仕掛け…などポイントで使われているようでした。

サムがゴーストの世界へ入り込むシーンは音楽とプロジェクションマッピングがとても合っていて、幻想的で好きです。

『Rain』のプロジェクションマッピング(群像の映像)が好きだなと思ったので、無くなっていてちょっと残念。

全体的には日本のミュージカルらしいなあという部分と、アナログ感と、アンサンブルの方々の群像のスタイリッシュさ(海外演出と近いのかなと感じる部分)が調和していて興味深く観ていました。

 

・地下鉄のゴースト
西川くんが演じられています(ビジュアルがかなり予想外で驚きでした)
ゴーストの感情の表出をタップで表現されています。WE版は少ししか観えませんが恐らくタップを取り入れる演出ではないかなと思われましたので、タップも日本版ならではの演出と言えるかと。

頂いた解説書を読んだら音が金属音のよう鋭くなるようにタップの音を加工しているとの事で、成程…と思いました。
病院のゴーストやその周囲のゴースト達が思いの外活き活きとしているのに対して地下鉄のゴーストは何かに囚われているようで哀れな存在です。

 

・黒いゴーストが闇に引きずり込む部分
対象を黒い布で巻き込んで引きずり込む演出になっていたのはアナログの極みながら薄気味悪さを感じられて好きです。

 

○総括
サムからモリーへ、モリーからサムへ。オダ・メイからサム&モリーへ。ゴースト達は生きる人達へ。
誰かの誰かを思う気持ち、で満たされた優しい物語だと思いました。

メインのサム(浦井さん)、モリー(咲妃さん/秋元さん)、オダ・メイ(モリクミさん)、カール(平間さん)は勿論ですが、アンサンブルもそれぞれにかなり出番と見せ場が多いと感じたのがこの作品の特徴かなと思いました。少数精鋭でクオリティが高くて、観れば観るほど癖になる作品でした。
個人的に『More(もっともっと)』、『Are You a Believer?(信じる準備は?)』、『I'm Outta Here(出てゆく)』の迫力が好きです。アンサンブルのパワーを感じます。

個性豊かなゴースト達だったり、アンサンブルさん達の群像だったり、浦井さんとモリクミさんのアドリブ勝負だったり、別の角度からも楽しめる作品です(笑)